本日から、ナクシャトラベースでセレブリティーのジョーティッシュホロスコープ『誕生チャート分析』をするシリーズをスタートいたします。
実際のホロスコープ･チャート分析を通じて、チャートの見方などをご覧いただければと思います。
※2024年4月21日よりスタートする「インド占星術、ジョーティッシュを学ぼう ナクシャトラ･マインドマッピング 第4期」 のコースで、チャートの細かい見方などはお伝えいたします。
今あなたは、ジョーティッシュ占星術に興味を持ってここにご訪問いただいたかと思うのですが、今回はジョーティッシュチャート分析の第1回となりますので、改めてインド占星術の中でもジョーティッシュ占星学とは何かについて説明いたします。
インド占星術についてやジョーティッシュについては既に理解できています！という方は、今回イギリスを代表するアーティスト Kate Bushのチャート分析をして、実際の人生と比較してみましたので、少し飛ばしてご覧ください。
インド占星術とは?
インド占星術は、西洋占星術とは異なる伝統的な占いの一形態であり、主にインドの文化に根ざしています。
インド占星術は「ヴェーダンガ・ジョートイシャ」とも呼ばれ、主にヴェーダ（古代インドの聖典）の一部である「ジョートイシャ・ヴェーダ」に基づいています。
主な要素としては、以下のものが挙げられます
ラシ（星座）: インド占星術では、西洋占星術と同様に12の星座がありますが、これは星座が太陽の通過する区域ではなく、月の通過する区域を基にしています。
ナクシャトラ（星宿）: インド占星術では、さらに27の星宿が考慮されます。これらは、月の周りの軌道に基づいています。
グラハ（惑星）: インド占星術では、太陽、月、木星、金星、火星、水星、土星、ラフ（北のノード）、ケート（南のノード）などの惑星が重要視されます。
ヨーガ（結びつき）: 特定の星座や星宿、惑星の配置が特定のヨーガを形成し、これが個々のホロスコープや出生図の特徴を示すと考えられています。
ダシャ（時期）: インド占星術では、人生を特定の期間で区切り、各期間ごとに影響を受けるとされるダシャと呼ばれるサイクルがあります。
インド占星術は、個々の人の性格、適職、結婚、健康、富などについて教えてくれます。
個人の方から会社経営者、海外の有名セレブなど多くの方が、自分自身や他の人の生涯の方向性を理解するために、また時には重要な意思決定をするためにインド占星術を使っています。
ジョーティッシュとは?
「ジョーティッシュ」（Jyotish）は、インドの占星術を指す言葉で、具体的には「ヴェーダンガ・ジョートイシャ」と呼ばれます。
この言葉はサンスクリット語で「光明」や「知識の光」を表します。
ジョーティッシュは、インドの古代の聖典であるヴェーダ（Veda）の一部である「ジョートイシャ・ヴェーダ」に基づいています。
この占星術は、天体の運行、星座、惑星の位置、その他の宇宙的な要素を用いて、個々の運命や性格、出生チャートなどを教えてくれます。
インド占星術とジョーティッシュは異なるのか？
では、インド占星術（Indian Astrology）とジョーティシュ（Jyotish）は、異なるものなのでしょうか？ 基本的には同じものを指します。
繰り返しになりますが、ジョーティシュは、具体的には「ヴェーダンガ・ジョートイシャ」とも呼ばれ、インド占星術の一形態です。
ジョーティシュは、インドの伝統的な占星術の一派で、ヴェーダの一部であるジョートイシャ・ヴェーダに基づいています。
したがって、インド占星術とジョーティシュは同じ文脈で使用され、ほぼ同じ意味を持ちます。
ジョーティシュは、サンスクリット語で「光明」や「知識の光」を意味し、天体の運行や出生図を用いて個々の人の運命や性格について洞察を提供しようとするインドの占星術の一部です。
要するに、インド占星術（Indian Astrology）とジョーティシュ（Jyotish）は異なる言葉で同じ概念を指しています。
ジョーティシュが「光明」や「知識の光」を象徴する言葉であるように、占星術は時折、光や知識をもたらすとされ、人生において方向を示すツールとして位置づけられています。
Kate Bushのジョーティッシュ チャート分析
それでは第1回は、イギリスを代表するアーティスト、Kate Bushのホロスコープ･チャート分析になります。
いつもクラスではその時話題になっている政治家やアーティストのチャートを紹介することが多いですが、
今回はわたくしの好きなシンガーソングライターということもありケイトブッシュを選んでみました。
70年代後半から活躍する人ですが、2022年の6月Netflix のドラマ Stranger Things でRunning up that Hill
という彼女の楽曲が使われ話題になると、同曲が発売から37年後に英チャートで１位に輝くという偉業が成し遂げられました。そんな背景もあり、それ以来若い世代も彼女の不思議な曲の世界を探求する人が多くなっているとのこと。この人のアートから個性を取ったら何が残る、というほどユニークな個性が売り物のケイトブッシュ。誕生チャートにそこがどう現れているか、ナクシャトラの観点から解析してみましょう。
2018年春から開催しているインド暦普及協会主催、ミスティカル･ライトのインド占星術クラス恒例のセレブチャート分析コーナーですが、クラスは2024年春までお休みなので、まだジョーティッシュのチャート分析をご存じない方のために、実在する人物の人生とジョーティシュチャート分析を比較しお楽しみいただければと思っております。
Kate Bush（ケイト ブッシュ）について
Kate Bushは1977年11月にイギリスでデビューするといきなり楽曲が4週連続1位となり、それ以来英国を代表する女性シンガーソングライターとして世界的に評価され続けているアーティストです。
※今回クンダリは最も確率の高いとされる誕生時刻に基づいて作成しています。
月は ミュージシャン、ソングライターに多いシュラヴァナ
ケイト・ブッシュは1958年7月30日のプルニマ（満月）生まれ。
当の月もネータルチャートで9ハウス、シュラヴァナナクシャトラ、度数は４°36'とアビジットの領域に近い好位置にあります。
シュラヴァナ･ナクシャトラのシンボルは耳であり、幼いころからアイリッシュの母の影響でアイルランドの伝統音楽を聴いて育ちピアノや歌に没頭していた音楽好きであることが頷けます。
実際、月がシュラヴァナのケイトの音へのこだわりは、発表したソロアルバム全てのクオリティーの高さに現れています。
パワフルなアシュウィニのマンガル（火星）とケートゥのコンビで精力的に活動した火星期⇒ 華々しいデビュー。
マカラ（山羊座）にあたる9ハウスのディスポジター土星は、7ハウスに位置。
7ハウスは火星支配の蠍座にあたるものの、9ハウス-トリコナ（ダルマ･正義･道徳の部屋）のルーラーが、ケンドラ-7ハウス（社会･パートナーシップ）のカーマ（願望成就）の部屋に位置しています。
土星･7ハウスはそもそもディグバラといい、方角的な強度を表し最高の働きをします。
当の火星はケートゥとコンジャンクションで牡羊座12ハウスのアシュウィ二に居ます。アシュウィニはケートゥ支配であり、牡羊座は火星支配。この２つのピッタのグラハは、走り出した馬の勢いを持つアシュウィニのパワーで本来は内気なケイト・ブッシュの音楽業界、創造性、そしてアーティストで生計を立てたいという情熱に火を点け、火星期の終わりには高校を辞め努力を重ねます。
兄とバンドを組みロンドンでパフォーマンスを始めたり、パントマイムとダンスを組み合わせた鬼才リンジー･ケンプのもとでパフォーマンスアートとダンススキルも磨き彼女は200曲あまりの曲を書き上げます。
こうして見出された天才少女歌手ケイト・ブッシュはラーフ期に入る直前にデビューシングルを発表し、その類まれな感性と才能でいきなり脚光を浴びることになります。
そのユニークで魔性的な歌唱法から、19歳のケイとはバンシー（アイルランドの民話に出てくる泣き叫ぶ姿をした妖精）というなんとも微妙なニックネームをつけられることになります。
*Banshee は実際妖精というよりお化けのようなダークなイメージで描かれることが多い。
天性の不思議なヴォーカル･スタイルはラーフ支配アルドラのシュクラ（金星）に起因⇒ その才能と人気はラーフ期が始まると瞬く間に世界的に爆発
では彼女の特徴的なフェミニンかつ時に破壊的でさえある叫ぶようなヴォーカルスタイルはどこから来ているのでしょうか。
それは彼女の声やパフォーマンスをするときの表情を表す2ハウスをみれば明らかでした。
ケイト・ブッシュの2ハウスには金星はラーフ支配のアルドラにありました。
アルドラはそもそも「泣き叫ぶ」という言葉が由来の破壊の神ルドラ神が支配。ルドラはシヴァ神の別名ですが、シヴァは最初の妃サティーと悲劇的な別れをすると、吠えるように声を上げて泣きながら荒野を歩き続けたと云われています。
そしてアルドラは、27星群の中でも最も情熱的で激しい気性のナクシャトラでもあります。更にアルドラのキーワードの１つは『嵐』。
奇しくもＵＫチャート4週連続1位獲得のケイト・ブッシュのデビュー曲は、エミリー・ブロンテの名作で映画としてもヒットした小説「嵐が丘」をモチーフにしたシングル“嵐が丘（Wuthering Heights）でした。
恋人ヒースクリフを残し死んだ後も屋敷に住みつき、死後の世界から彼を呼び続けるヒロインのストーリーです。ブロンテの小説『嵐が丘』のストーリーは、サティーと別れた悲しみに打ちひしがれたシヴァが山々を徘徊したという神話と見事にリンクします。
この通りバンシーというニックネーム、デビュー曲のタイトル、そして彼女をスターダムにのし上げた驚異的にユニークなヴォーカルスタイルの秘密は2ハウスの金星が位置するアルドラ･ナクシャトラにあったのです。
ラグナ（アセンダント）は人気とフェミニンな魅力を授けるローヒニ
ケイト・ブッシュはデビュー曲当時から奇抜なアーティストとしてのイメージと同時に、ラグナのローヒニの影響が全面的に現れフェミニンな魅力で男女ともにファンの憧れの的にもなりました。
それは2ハウスの金星に恵まれたことからも明らかですが、やはり月が高揚するローヒニの影響が彼女のパブリックイメージに華を添えたことも大きいでしょう。そこにはチャンドラ神に最も愛されたローヒニ･ナクシャトラの影響が全面的に現れているのです。
とは言えやはり唯一無二のシンガーとして名を馳せた歌声はアルドラから派生し、ラーフ期で名声を掴んだ彼女のアルバムはストーリー性が高く、単なる俗的なポップやロックミュージックとは一線を画す時に風変わりで卓越したアートの世界観にどっぷり浸ることができます。
アルドラを支配するルドラ神は大宇宙３大神のひとりでありながらヒッピーのような風貌のアウトカーストとしても知られる通り、ケイト・ブッシュのアーティストとしてのイメージは魔性的な異端児的な部分もあります。実際、彼女の秀逸なデビューアルバムの邦題は、天使と小悪魔とされています。
ラーフ期が中盤に差し掛かると彼女の叫ぶようなハイトーンのヴォーカルスタイルは、年齢と共にトーンダウンされより大人っぽく変化します。
イギリスで生活していた90年代に初めて彼女のアルバムを聴いてから、ケイト・ブッシュの世界観とアルバムのクリエイティビティ―にはまり定期的に聴いています。
今回はゴチャラやD9の解釈は入れていませんが、またいつかクラスでお話しできたらいいなと思っています。
今回のナクシャトラの解釈から分かること
このナクシャトラの解釈から分かるのは、あくまで保守的（シュラヴァナの月）で育ちの良い上品な女性（ローヒニのラグナ）が、ラーフ期にラーフ支配のアルドラにある金星の働きによりインパクトの強いヴォーカルスタイルとキャラ設定、さらには創造性の開花につながった、ということでしょう。
平凡な清楚なお嬢様キャラでポップやフォークの楽曲で勝負しても、ある程度の成功しか得られなかったでしょう。
一つ前のダシャの火星期にもケートゥ支配のアシュウィニが絡んでいることから、ラーフケートゥの運命的な関与が窺えます。
過去生から憧れ、やると決めてきた運命のキャリアを現世で見事に実現させた例と言えるのではないでしょうか。ラーフはＤ1の6ハウスで現世的に有利に結果を出してくれるよい例でもありますね。
Kate Bush のインド占星術ジョーティッシュ ホロスコープチャート分析、いかがでしたでしょうか。
まだ彼女の音楽の世界に触れたことのない方は、この機会に是非聴いてみてください。
Kate Bushの曲をご紹介
Kate Bush 嵐が丘 『Wuthering Heights 』
Kate Bush 『Running up That Hill』
Kate Bush 『Fog』
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インド占星術 ジョーティッシュを学ぼう コースについて
多くのお問合せをいただいております、「ナクシャトラに特化したコース」ですが、2024年4月21日スタートを予定しております。
それまでは引き続き、こちらのブログから海外セレブのチャート分析を通じ、チャートの見方や分析方法をご覧いただければと思います。